2008年3月15日土曜日

architects of experience

architects of experience=経験を構築する人/人々

マーケティング/ブランディング活動とは、ありていに言えば、ブランドとの接点における消費者のブランド経験の構築作業である。

ブランドとの「接点」を電通は「コンタクトポイント」と呼び、博報堂は「タッチポイント」と呼ぶが、実はもっとも重要な「接点」は最終的に貨幣と引き換えに消費者に提供される「商品そのもの」である。

広告代理店は、すでにある商品の訴求ポイント(USP=Unique Selling Point などとも呼ぶ)を、その商品に対する消費者の潜在的ニーズに対する洞察をベースに、さまざまなメディアであの手この手で伝達し、消費に至らせることを生業としている。ただ最近は、コミュニケーションだけでなく、商品開発の段階から深くかかわっていることも多い。街中で目にするヒット商品の元々のアイデアが、実はその商品を売っているメーカーではなく、広告代理店の手によるものということも少なくない。しかし、そうは言っても広告代理店にとっては、やはりコミュニケーションが主な仕事で、中には実際の商品価値から乖離した「にぎやかし」による「イメージ訴求」で、短期的な売上達成を目指すコミュニケーションに終始しているケースが多いのも現実だ。

広告は、その商品やブランドに関して重要な経験のひとつではあるが、そもそもの商品経験がマズければ、消費者は2度とその商品やブランドに振り向いてはくれない。まずは、商品やブランドの価値が明確であること。そして、そうした商品やブランドの価値をさまざまな「接点」で適切に消費者とコミュニケーションを取ること。aoe | architects of experience は、そうして理念の上で結成された。

マーケティングの本質とは、「いかにエスキモーに氷を売るか?」であると聞いたことがある人も多いだろう。

そのような命題に対し、大手広告代理店は、多くの場合、大量のメディア投下により、何の変哲もない氷を、いかに他と異なるものであるか、をコミュニケーションを通じて信じ込ませ、購入へ至らせる、というアプローチを取る。しかし、このような消費行動は、常に大量のメディア投下と引き換えであることに留意する必要がある。投下をやめたとたんに、その氷の消費は落ち込み、その辺の氷とまったく同じものになる。なぜなら、元々その氷は「何の変哲もない氷」だからだ。

一方、aoeが目指しているのは、「エスキモーですら必要とする氷」が何であるかを明らかにした上、まずそれを実際に作ることにある。そして、その新しい価値を持った氷をさまざまな接点を駆使してコミュニケーションすることで、エスキモーが継続的に購入してくれる土台を作るのだ。この点が、大手広告代理店とaoeは決定的に異なる。このようなやり方は、企業やブランドが、大量の広告投下に頼らず、消費者の継続的な支持を集めるには、王道ともいえるやり方である。

aoeは、常に新しい価値を創造し、その価値を全ての接点で五感を通じて感じさせ、企業やブランドの継続的な成長に寄与したい、と考えている。

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