質問:ブランドとコモディティ(普及品)との違いは何か?
この質問に対して、色んな人が色んな持論を展開するであろう。
そこで、ここでは、あくまで「消費者」の立場から考えてみようと思う。
答え:そのブランドならではの価値があるものがブランド
ここで混同しないでいただきたいのは、
これはあくまで「消費者にとっての価値」ということ。
経済的には、ブランドの価値は「超過収益力」として一般的に表現される。
すなわち、他社とまったく同一の機能・性能のプロダクトにも関わらず、
他社よりも高い値付けが可能ならば、その差額が超過収益力となる。
(ウィキペディアより)
その「超過収益力」の源泉が「消費者にとっての価値」である。
消費者はその価値が欲しくて、ブランドを買うのである。
そして「消費者にとっての価値」というものは、大きく
・機能的価値
・情緒的価値
・社会的価値
の3つの階層に分かれるといわれる、
さて、ここで「トヨタはブランドか?」という議論がある。
トヨタは「トヨタ」のままでは「超過収益力」を保持できないので、
「レクサス」ブランドを作ったという。
しかし、あくまで、メルセデス、BMWといった欧州メーカーとの比較での話だ。
2003年頃ある広告代理店が行った消費者調査で、
同じボディタイプ同士(コンパクト、中型セダン等)の比較では、
全てのボディタイプでトヨタは国内メーカー中、
最高の値付けがなされたという報告を見たことがある。
つまり、トヨタは国内では6割に迫る販売台数シェアを誇るが、
「安売り」によるものではなく、むしろ他の国内メーカーを上回る販売価格で、
それを実現しているのである。
それでは、どうしてトヨタはそんなに売れるのか?
消費者は他より高い値付けでもトヨタを買うのか?
ある人はこう答えるだろう。
「トヨタは燃費も良いし、品質も高い(=機能的価値)から」
またある人はこう答えるだろう。
「トヨタだと壊れにくいし安心(=情緒的価値)だから」
それが、トヨタの「価値」である。
しかし、それは本当だろうか?
そう言っている人の何人が、他のメーカーの全てを見て、比較をしているか?
トヨタを買った人の思い込みに過ぎなかったりしないのか?
しかし「トヨタ」と聞いた瞬間に、消費者にそういう「価値」を頭に思い浮かべ、
購入に至らしめているという事実が、トヨタが「機能的価値」レベルで、
そして場合によっては「情緒的価値」レベルで極めて成功しているブランド、
ということを示している。
しかし、そんなトヨタも、先に述べたとおり、メルセデスやBMWのような、
超過収益力をもたらしていないとしたら・・・。
それは、消費者がトヨタに「社会的価値」を見出していないからである。
続きは次回。
2008年4月14日月曜日
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